8月末に神奈川県横浜市某所にてお菓子作り体験教室を講師として行ってきました。横浜でのお菓子教室は今年2回目です。
お菓子教室の基本的な流れ
お菓子作りが趣味といった方々のグループだったり、茶道を嗜まれている方ですと、作ってみたいお菓子があることが多く、それに合わせて場所、道具、時間などを調整させていただいております。地元ですとお隣、高崎市の某公民館の設備が綺麗で充実していました。和菓子作りで使う道具はさすがに常備されていませんが、こういう場所ですといろいろ作ることができます。練切やきんとんが定番ですが、当店で色付けするのではなくお客さま自身で色付けから行っていただくこともあります。また最高級のおまんじゅうと言われる薯蕷(じょうよ)まんじゅうや蒸しカステラの浮島、日本特有の砂糖である和三盆糖を使った打ち菓子なども作ることが出来ます。
今回、横浜では干菓子作りも行いました
さて今回は複数の種類を作ってみたいとのご要望をいただいたのと時間も半日とございましたので、生菓子を2種類と干菓子1種類と盛りだくさんの内容となりました。生菓子は練切製で、和菓子の定番である菊の変形「手毬」とこれから訪れる秋の「花野」を作っていただきました。仕上げで異なる道具を使えるように種類を増やしたため、今回練切は当方で事前に色を染めて準備をしておきました
「手毬(てまり)」は水色と白色の練切を互い違いに組んで、漉し餡を包みます。ここまででも割と難しいです。さらに三角ベラという三角形の道具を使って、細かく筋を付けていただきました。最後に金箔をそっと載せて完成です。
「花野」は黄色と緑色の錬切を組み合わせて、漉し餡を包みます。そこにピンク色の錬切を小さく千切って載せ、茶巾で絞って仕上げます。茶巾とは薄い絹の布でぎゅっと絞ると細かく綺麗な筋が作れたり、抽象的な表現で多く使われます。今回は包んだお菓子を真ん中に置いて両端を絞ってぎゅっと一気に絞ります。やり直しが効かないので思いのほか力が入ります。
干菓子は和三盆を使った打ち菓子です。当店もそうですが、和菓子屋さんにいくとお店にずらっと木型が並んでいたりすると思います。その木型に和三盆を詰めて打ち出して作るお菓子です。日持ちがするのと和三盆の独特の香りに特徴があり、伝統的なお菓子の一種です。
干菓子作りはわいわいと思いのほか盛り上がることが多いので、私の説明やデモは時間を見ながらきっちり30分。それが終わりましたら、分からないところなどあると思いますので私はぐるぐると様子を見ながら、いよいよ皆さんの作業となりました。
干菓子作りは、予想通りみなさん楽しそうに長めとなりました。季節を問わずいろいろな型を持参したこともあり、みなさん木型を交換したり、この木型は難しいなどお話をしながらの作業となりました。その後短時間ですが干菓子を乾かしつつ、生菓子作りに進みました。こちらは比較的黙々と、不思議と時間通りに終わりました。
せっかくの機会でしたので、小さめのはさみ菊などいくつかその場でお菓子を作らせていただいて、それをくじ引きでお土産とし無事終了です。
感想など
お菓子作り体験は準備に思いのほか手間がかかります。ですが、お客様と直接お話をさせていただいたり、思わぬご質問をいただいたりと、緊張もしますが楽しくやらせていただいております。和菓子作りはケーキ以上にご家庭で挑戦するのが難しいと思います。実際に触って作って楽しんでいただくことと日本の伝統的な手仕事を体験していただける貴重な場ですので、これからも機会があれば続けていきたいと思います。